ダンディズムを造る
「男は30歳を過ぎてから」なんて言葉をよく耳にする。
それはダンディズムのスタート地点であり、このスタートの仕方によって今後の人生が左右されるといっても過言ではない。
自分が50歳を過ぎた時、白洲次郎になっているか、はたまた定食屋でひとり昼間から酒をあおるヨレヨレTシャツのオヤジになるのか。
そう、人生の曲がり角である30代は重要な分岐点なのだ。
自問自答、試行錯誤を続け人間は成長を続ける。
時に、堕落をし、そしてまた一歩づつ行動をおこす。
わずかな一歩づつであっても、着実に行動を積み重ねた者だけに与えられるダンディズム。
それは女性の色気に関しても同じことが言えるだろう。
そんなことを日々考えながらも、人生最大の敵「面倒臭い」と戦いながら、ひとつ行動をおこしてみた。
そして、私はルネッサンス期の羅針盤をも凌ぐ発明品に出会ってしまった。
それが、電動歯ブラシである。
ダンディズムと色気を手に入れる為、インターネットと呼ばれる迷える森の中を探索した。
そしてたどり着いたのが、ブラウンの電動歯ブラシである。
そう、朝レポといえばウィッキーさんというイメージを破壊した、あの「朝、剃ったばかりなのに!?」のブラウンだ。
インターネット最大手アマゾンにて購入。
そして待ちに待った佐川急便が到着。
白い歯を待ち望んだばかりか、この日ばかりは佐川急便のお兄さんが東幹久に見えてくる。
決してタイガーウッズではない。
到着後、無我夢中で早速開封。
さすがは、ドイツ製品。
頑固なまでに密閉されたパッケージ。これが、なかなか開かない。
焦れば焦るほどほど開かない。輸入版CDのあの感覚と同じである。
早く開けなければという責任感と緊迫感。
そして、どちらにハサミを入れたら良いのかという疑問。
流れる汗。震える指先。曇るメガネ。
赤か白か。
まるで爆弾処理。
数分後、見事に開封され、我が家で産声をあげた、ブラウン電動歯ブラシ。
しかし、呼吸がない。
そう、充電が必要なのだ。
21世紀になってもいまだ解決の糸口が見当たらない、電動物を買ってもすぐに使えないというジレンマ。
なんとかならないものかと思うのは私だけではないだろう。
カウンターアタックで即効攻撃。
充電器に見事なスルーパスを渡し、コンセントへゴール。
緑のランプが見事に点灯。
そして、待つこと2時間。
恐ろしいまでにグルグル回転するブラウン。
まるで、馳浩。
これを口内に投入した時点で、歯が全て無くなってしまって、明日からエンペラー吉田になるのでは、という恐怖感すら覚えた。
しかしである。
これがなかなか気持ちが良い。
あらゆる電動物は気持ちが良くなくては商品としての価値が無いのが、これは見事にクリアをしている。
そして口内を縦横無尽に駆け巡ること約2分。
口を濯ぎ、歯を見てみると、あらまビックリのツルッツルである。
歯垢が取れた私の歯は、恐らくヅラを取った小倉さん並みだろう。
指で歯をなぞれば、「キュッキュ」とバイオリンの音色。
まぎれもない。
口の中に葉加瀬太郎がいる。
小さい葉加瀬が情熱大陸を奏でている。
そして、艶やかに輝く白い歯。
肌の色とのコントラストの広さは、松崎しげる並みである。
まさに美しい人生、限りない喜び。
やがてこの小さな一歩が、我が人生をダンディズムへと導くだろう。
これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。
オススメ。
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